2010年4月6日火曜日

インド事情




9月23日 
夜、コロンボで乗船されロンドンに●勤される正金の某氏からインド事情を聞く。

インドの人口はヒンズー族が約7千万、マホメダレが約2億人、
学校は官私ともに大学まであるが皆いい加減なもので、英国の政策らしい。
黒人の生活は惨めなもので、土を固めヤシの葉で屋根を葺いただけのものにすぎず、
私たちがセイロンで見たようなものは本土にはなく、
衣服にしても丸裸でただフンドシをしているだけ。無論裸足である。
病院などもろくなものはなく、流行病などの時はほとんど見殺しだそうだ。

しかしインド人は、別にこれで英国を恨んだりはしていないそうだ。
英国の政策の徹底ぶり、その巧妙さがしのばれるものではないか。
インド人は自分に都合のよい状況であれば満足しているらしく、
しかしその多くは西方の者で、東部すなわちカルカッタ地方の者は少々難者がいて、
反英感情が相当強く、時々官憲に手向かう者もいるそうだ。

気候は平均(華氏)80度から90度くらいで特に西方は暑くはなく、
旅行者も暑さの心配はいらないらしい。
在留外国人の生活は実に贅沢である。
大抵の家庭で使用人を十人くらい使っている。
眠っている間に髭を剃られ、ネクタイを結んでくれ、靴まで履かせてくれるとか(!)
食事から掃除、洗濯のすべてが黒人の仕事である。
事務所では鉛筆が折れてもすぐに黒人が飛んで来る。
物が下に落ちてもすぐに拾ってくれる。
自分ですることはないそうで、妻君の仕事もないのだが、
遊ぶことが相当に控えているので決して退屈はしないとか、まるで王様の生活である。
外出するのももちろん、旅行するにも必ず従者を連れて行かねばならない。
だが、若い夫婦者がこうした生活に慣れると、日本に帰ってからが困るのだそうだ。

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