2010年4月14日水曜日

下船準備




10月7日 
急に寒くなり、さすがにデッキをうろつく者もない。ベッドにもぐる。
夕食は船長お別れの会として、食堂が昼頃から美しく飾られ、
各自のテーブルには花火や風船、紙帽子が置いてある。
皆これを被り、今日は料理も特別なものである。
お互いに花火を引っ張り合ってポンポンと鳴らす。
外国人などはしきりと茶目る。しかし揺れが甚だしく、皆早々に引き上げた。


30余日の長い航海を終え、明日いよいよ上陸する。外国の土地に放り出されるわけだ。
荷物の整理をして、夏物の不要品一切はトランクで送り返すことにする。
船中の一切の仕事を終えるボーイその他のチップについてK中佐から相談があり、
結局、独身者1人につき日本円で100円と定め、これをパーサーに渡す。
部屋付きボーイ、食堂ボーイ、バスボーイ、バツゲンおよびボーイ長などで
適当に分けてもらうこととする。
他にパーサーには持参の菓子折りや焼海苔1箱、スチュワートには菓子折り、
ドクターには厄介になったので金10円と袱紗を送る。
他にパッケージボーイに返送の荷物を依頼するので、2人で10円を包む。
部屋付きボーイおよび食堂ボーイは特に気を付けてくれたので金10円を渡す。
なかなか厄介なものだ。

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