2010年4月12日月曜日

カイロ〜ルクソール



踵を転じてエジプト博物館を観た。
ナイル沿岸で発見された古代エジプトやギリシャの古物が無数に陳列され、
ことに第一王朝の蒐集品の豊富さは世界一だとか。
特に最近発掘されたツタンカーメン王の墳墓の実物は、彩麗積微を極めた稀な芸術品である。
とても私などが説明しきれるものではない。その1つ1つにただ目を見張るばかりだ。

かねて書物や絵、写真などでそれら各種の芸術品やエジプト建築芸術の単純な表現、
色彩の妙、その極致に憧憬していたものを今目の当たりにして、ただただ呆然とする。
惜しむらくは時間がなく、一行に遅れがちになりながら名残惜しんだ。

次にザタンハサンのモスクを見た。
その巨大なるドームや尖塔はカイロの街の特異性を表現している。
回教寺院や金字塔デペスの大伽藍を建てた、太古エジプト王の偉大なる力よ、
建築にあたった当時の建築家は、
複製を恐れる王のために手を切断されたということである。
しかしこんなものを思うままにやらされたら
手ぐらい切られても満足であったろうと思われる。

このモスクの近くには有名な城塞がある。
これは12世紀の初頭、エジプト統治者であったサラデンが築いたもので、
ピラミッドから持ってきた石で出来ている。
城主を中心に様々な悲劇を生んだ現王の始祖である。
モハメットマリが1811年、マメリック族酋長など約500人をだまし討ちにしたのもここである。

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