2011年5月14日土曜日

アメリカの民家見学

2月28日 
今日は日曜日で朝からZ夫妻らと郊外の住宅地見物に出かけた。
塀を設けず庭園の手入れが行き届いた面白い住宅を見て歩いた。
新築中のものも今日は日曜日なので作業を休んでいるため、
無断で飛び込んで遠慮なしに見学した。
小さなバンガローだが石材と木造の接合に妙味を見せ、
木の代わりにメッシュやハイリッブを巧妙に使用していた。


来る時は地下鉄を使用したのだが、帰りは汽車を使いペンシルバニア駅で下車、
近くのニューヨーク・ホテルで食事をして、タイムズスクエアで活動写真を観て帰った。
Z氏は大阪の同業、Z組の御曹司で、夫婦連れで世界漫遊中、
夫人は少女のような若くて可愛らしい方である。
まわりは一人旅が多く、仲睦まじいこの若夫婦は周囲をさぞかし羨ましがらせたことだろう。

NY名所を一巡

2月26日 
朝からホテルの自動車で再び市内見物に出た。
まずはダウンタウンの繁華街をひとまわりし、
ブルックリンの長橋を経てロングアイランドに渡り、
マンハッタン・ブリッヂを渡ってハドソン河口に出て河底を通った。
ホーランド・トンネルを通り対岸ニュージャージーに出て、工場街から住宅街、
マンハッタンの北端、ワシントンブリッジまでドライブ。
再びマンハッタンへ入り、アップタウンを通過、
最近竣工したヘルゲートブリッジへ引き返してコロンビア大学前をリバーサイドに出て
グランドトンボを一巡した。ホテルに戻ったのは午後2時頃だった。


ニュージャージーに渡った頃から外は吹雪になり、
セントラルパークを過ぎてホテルに着くまで真っ白い雪景色の街並を眺めながら快走した。
これでニューヨーク全市を大体見た。
碁盤の目状に出来た街路なのでわかりやすい。
一人歩きも容易で、にわかニューヨークっ子のような気になれる。

同朋訪問、建築談義

2月25日 
M氏を事務所に訪問した。
エンパイア・ステートビルの25階にいるM氏は渡米40年、
日本人建築技師として当地で重要なポジションにあり、業界各種の委員を務め、
過去において幾多の建築条例の立案改訂に尽力され、設計完成されたものも多い。
有名なフィフス・アベニュービルなどもそうだ。
エンパイア・ステートビルにも関係されたM氏から、
ニューヨークの建築事情について色々と聞いた。
満州国の宮城の話なども出て、書棚から数冊の書籍を出してきて親切に進言された。
インド建築を基調とした新様式の発現を望まれていた。


あまりに熱心に話されるので、つい食事時間を過ぎてしまい午後2時頃辞す。
帰途はセントラルステーション近くの建築展覧会をのぞき、
次にロックフェラーセンターの科学博物館を見物した。
この近くにあった最新のアパートのモデルの展示会なども見たが、
なかなか斬新なもので得るところが大いにあった。

2011年5月5日木曜日

セントラルパーク



2月24日 
今日は日曜で午前中は休養し、午後1人でセントラルパークを散歩した。
この公園はニューヨークの中心にあり、長さ2里半、幅半里、
現在の地価は日本円で約15億円以上だとか。
岩山や広い緑地、松林その他の森を擁し、桜の木なども随分ある。
池や泉にはたくさんの水鳥や動物が遊び、樹間の緑地にはリスが棲息していた。
公園は大きいが南洋や欧州のものとくらべると殺風景なようだった。


帰途は近くの天体館に入った。
円形ホールの天井に活動写真による星座を映し、日没から夜明けまでの天体の動きを、
まるでセントラルパークで見ているかのように感じられる。これを音楽付きで説明する。
暗闇の中で音楽を聴きながら、いい気持になってつい眠ってしまった。


この建物続きにあるナチュラル・ヒストリー・ミュージアムを観た。
大きなもので、正規の時間までに3分の1も見ることが出来なかった。
陳列品の多くは拡大された模型が実物に揃えてある。
その説明なども実に要領を得ていて参観者には便利なものだ。
各種の動物についてはパノラマ式に自然の事物を背景に、
棲息の様子が子供にもわかるように造られている。

2011年5月3日火曜日

5th Ave, Broadway...



次いでマンハッタンの南端、ハドソン河口のバットリーパークに出て、
クラシックで立派な税関の建物を見て、海岸にある水族館をのぞき、
バスで支那人街に出て、盛んなチャプシーで昼食。
その後、市役所や裁判所を見物し、次にウールワース・ビルディングを見た。
最近までこれが最高層のものだったが、クライスラービルが出来て、
エンパイアが竣工して最高位を譲ったのだが、
均整のとれたゴシック様式の美しいもので、私が好きなビルのひとつだ。




その後ワシントン・スクエアに出て、ここで二階式のバスに乗り、
アップタウンまで約1時間をかけて行った。
上品な雰囲気のフィフスアベニューを通り、
繁華なブロードウェーの大通りを2階正面の座席から右や左、
上を下にと驚異の目を輝かせながら行った。
やがてリバーサイドに出て、無名戦士の記念碑やグランド将軍の墓などを詣で、
左眼下にハドソン河を見下ろす。右側の美しい道路や沿岸の小公園越しに、
7〜8階から15階ぐらいまでの高級アパート群を嘆賞しながらメディカルセンターに出た。
これは各種病院の集合で、クリーム色タイル張りの15〜6階建ての建物の集まりである。
その近くには最近竣成したワシントン・ブリッジがハドソン河上に横たわっている。
この河上の近くに尖塔を頂くリバーサイド・チャーチがある。
次にコロンビア大学を見た。学生の乗り付けた乗用車がたくさん駐車していて驚いた。


目下建築中の聖ジョン・キャセドラルも見た。
竣工のあかつきには世界最大のものになるそうだ。
この丘から見える黒人街を見て、セントラルパークのウエストに沿ってホテルへ帰った。

Radio City 、Wall Street

次に最近完成したロックフェラーセンターのラジオシティを見る。
これは最高ではないが新様式の大きなもので、延べ床面積約6万坪、
工事費に2億5千万ドルというから日本円にすれば9億円近くになる。
主として貸事務所で、下層階は商店、銀行、郵便局、科学博物館などになっている。


道路に出ると大きなミュージックホールがあり、
レビューやシネマなどが終日終夜満員である。
これは他の日にあらためて見ることにしてサブでダウンタウンに向う。




ニューヨーク最主要都市マンハッタンの南端、
摩天楼の林立するいわゆるドルの中心地、ウォール街の銀行会社街である。
まるで深い谷底にいて、屹立する懸崖を見上げるようで、
今にも倒れかかってくるような錯覚を感じる。
しかも谷川のような道路には自動車と人の流れ、
上から見ればベルトに載せてただ動いているようであり、
ひとたびこの流れに巻き込まれたら最後、
身動きもできないほどで実に恐ろしい光景である。
しかし近頃、マンハッタンの繁華は漸次山の手に北進し、
エンパイア付近からロックフェラーセンタービルあたりに移り、
次第に発展を極めつつあるらしい。


マンハッタンには20階以上の建物が300以上あるそうで、
地盤は岩層で地震の恐れはなく、ヤンキー気質で金にまかせて競争的に、
何もかも世界一を目指して建てている。
この調子で建物が空へ空へと高くなっていったら将来はどんなことになるだろう?
ただ実に物質文明の極致というか、
欧州から来てみるとまるで大工場の機械の側にいるような気持ちになる。