2010年4月10日土曜日

アラビア海上にて、体調不良

9月24日 
午後4時半 船上のサロンで歩中佐、A氏の満州旅行談があった。
同氏はイタリア駐在武官としてT少佐と共に赴任の途である。
同氏と交代されるN中佐は、かつて関東軍参謀として知己である。
談話は主に満州各地の大戦当時の情勢から現況および、
戦場としての見学順序とその事実とについて、堂々約1時間に渡る雄弁を奮われた。
軍職にありながらすこぶる客観的に話されたのには気持よく了解された。
各国スパイ戦の実情を、開放的な日本と比較して注意に苦心するというのは同情に堪えなかった。
私たちが各々その専門の立場において旅することを希望されていた。心すべきことと思う。
 
9月26日 
朝食後、長男に宛ててインドの風物に関する通信を書くため図書室に行く。
半ばでしきりにくしゃみが出るので、
向かい側のテーブルにいらっしゃる御夫人に気の毒と思い船室に帰った。
船室でもしきりとくしゃみが出るのでベッドに横たわる。

5時半、フロをいつもより熱くして入浴後、ただちに就床。
汗の出ること、寝間着も敷布もみるみるうちに水びたしだ。
寝間着を取り替え、ついに持ち合わせの全部をびしょ濡れにしてしまった。
発熱はさほどではないものの、普通ではない。
明日アデンに着き紅海に入るというのに
こんなことではいけないと持参の薬を飲み、お守りを抱いて眠る。

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