2010年4月18日日曜日

在パリ邦人諸氏を訪ねる




10月12日 
朝、大使館に行って在留届けをし、目的について挨拶方を依頼した。
大使はまだご出勤前ということで、次回会うことにする。
徒歩で近くにある東日のK君を訪問する。
氏はすでに故人になった大連のK君の令弟で、満州育ちの青年記者である。
若く美しい細君に迎えられ、色々もてなされた。
K君は物静かなヤング・ジェントルマンである。
この人が最近、スペインの戦乱地へ飛び込み、戦火のニュースのトップを切って
東都のジャーナリズム連をあっといわせた快男児とは見えない。
1時間あまりフランスやスペイン問題を中心とする欧州各国の動向について
聞くことができた。再会を約束して辞す。


帰途、近くの「都」という日本料理屋で日本食をとる。
しかし昨日来、少々下痢気味なので注意をし、丁君やN君がうまそうに食べるのを
羨ましく見ながら、おかゆをこしらえてもらって食べる。

バスに乗り凱旋門前で降り、無名戦士の墓に詣で、
広く気持のよいシャンゼリゼ大通りを徒歩で満鉄事務所に行く。
遠くコンコルド広場の大噴水越しに宮殿を望み、
道路両側のマロニエの大木は今をさかりと紅葉して美しく、
6〜7階建ての統制された美術的建築、
広い人道にたくさんの椅子を並べたカフェのある街並は、実に整然と美観。
美しい街並、たくさんの通行人、外国に来たことを痛感する。


満鉄事務所に行ったが所長は満州出張で不在、M氏に面会する。
氏の令弟とマルセイユで会った話から、最近フランス国内閣左右派の●争が激しく、
何かたくらんでいるそうで多少危険ともいえるらしく、
私たちが2、3日中に英国へ渡ることを話したら賛成していた。

それから三井物産のパリ支店長を訪問しパリの話をする。
氏は長らく英京ロンドンにおられたので、我らの旅程について
色々と注意をいただき、非常に得るところがあった。
三菱やモパンを訪ねる予定だったが少々疲れたのでタクシーで宿に帰る。
腹具合がまだ悪いので夕食をとらずに静養し、英国に渡る荷物の整理などをする。

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