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2011年4月21日木曜日

ハーグ平和宮

正月28日 
ハーグの朝も特に寒い。教えられてホテルの前から8号電車に乗り、ピースパレスへ行く。
20分ぐらいでパレス前の広場に降ろされた。
途中の街路に相当モダンな建物を見受けた。
ピースパレスは午前中、門から中へは入れない。門衛の番人に色々交渉したがダメだ。
門のところから写真を撮ることだけ許してもらう。
内部は午後2時から見せるというのだが、私たちは1時50分に出発の予定なので思いきった。
パレスは写真などで見た通り、よく均衡のとれた立派なものである。
色の感じも良い。そのディテールなども良くこなされている。庭園も実に立派だった。


とても寒いので、大急ぎで近くの新様式のものなどをカメラにおさめ
マウリヒュース・ミュージアムへ行き、レンブラントの解剖講義の絵なども観た。
王城の7つの門のある現国会議事堂、古くは平和会議のあった所などを見て急いで宿へ帰り、
午後1時50分パリ行きの急行列車に乗る。
急行料金に45フランばかり取られ、午後7時40分、パリ北駅に着いた。


タクシーでホテル・マスネへ帰ったが、前の部屋に病人が出て消毒したそうで、
とても臭うので5階にかえてもらう。
腹が減ったので久しぶりに「都」へ行って日本食をたらふく食べた。
階下では三井支店長の送別会が行われている。
パリは風もなく暖かである。これで欧州における最後の旅行を終えた。
当分ここパリに滞在してゆっくりと気分を味わうことにする。


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アムステルダムの建築見学




正月27日 
今朝はとても寒い。季節外れで観光バスもないので、自動車を雇って見物に出た。
市の中心のダム広場に出る。壮麗な宮殿、その後には教会などがあり、
市役所の前を通り郵便局や大きなリュクス博物館などを見た。
フォンデル公園には詩人フォンデルの銅像がある。赤レンガのオペラの前は賑やかである。


アムステルダムはベニスとストックホルムを1つにしたような水の都で、
運河が縦横に走り、色々な形の橋がたくさんある。
それから新市街の方へ出てみたが、建物はすべてモダンで立派だ。
多くはレンガの見出し積みだが、よくデザインされ、
それぞれのディテールはみなよいものだ。
今までに見た欧州のどれよりも優れているように思う。
欧州において近代建築はオランダがそのトップだろう。
しかもその用材や建物の程度が日本や満州に似たもので、じかに応用でき、
ここに少し落ち着いたら参考になるものがたくさん集められると思う。


幸い市内の書店を漁ると新様式の書籍が見つかり買い求めた。日本円で30円ほどであった。
またここは世界のダイヤモンドの原石が集り加工される場所で、
その工場が大小約10カ所もある。その1つを見せてもらった。
たくさんの職工が分業的にやっている。仕上げには20人ぐらいの手を経るようだ。
あの多角形な形を作るには色々な機械を通し、みな拡大鏡で作業している。
ここにはダイヤモンドの取引所もあり、価格その他の統制をやっている。
物価が非常に高く、珍しいものもあったがちょっと手が出せない。


午後4時の汽車でヘーグに向う。
駅前のホテル・テルミナに投じる。ここは国際都市でホテルもなかなか立派だ。

アムステルダム

正月26日 
今朝は雪だ。少々風邪気味で頭が重い。
たいして見るものもなく、姉のことなどが考えられるので
外へ出る気もせず部屋で手紙を書いて過ごした。

午後1時30分の列車でオランダのアムステルダムに向う。
座席にいると、昨日ブリュッセルで一緒に見物したオランダ人の2人連れがいて、
わざわざ私たちの部屋に挨拶をしに来てくれた。
2人とも商人で、1人はアムステルダムから少々離れた街で雑貨商をしているという。
店の写真などを出して見せてくれる。もう1人は宝石商だ。
カタコトの英語で色々と話した。約3時間の車中、退屈しなかった。

雑貨商さんは2人の娘がいて1人は20歳。雅子と同じで、
もう1人は15歳、妙子と同じだ。2人ともなかなか美しい。
別の写真を出してこれは妹の家族だという。
11人の子供がいるがつい最近そのご主人が死んで、
自分が生活を援助しているのだという。人ごとではないように思った。
私たちも家族の写真を出して見せた。日本の着物がとても美しいと珍しがっていた。

4時半頃、アムステルダムに着いた。途中は雪景色が好い感じだ。
ウインドミルも季節外れであまりのどかな感じではない。
平地には間隔を置いて運河が出来ている。
ホテル・ヴィクトリアに投じる。駅の近くで相当なホテルだ。
夕食後、明日の見物のことなどを頼む。寒くて雪の市内には出てみる気にもなれず、
オランダ風俗の絵はがきなどを子供たちに出した。


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アントワープ




3時頃、尚1時間ばかりあるのでバンドボザールに入る。
ここではロダンの彫刻、ムニエの労働者マーラの死、アダムとイブの名画などを観た。


午後3時、ホテルの近くにある北駅を出発しアントワープに向う。
約35分間で着く。ホテル・ロンドネスに投じる。
昼食のビールが効き、ソファにもたれたままいつしか眠ってしまった。
目覚めたのが午後6時、外はすでに暗く、夕食まで尚時間があるので
外へ出てみたが非常に賑やかである。1時間ばかり散歩した。
食後、外はかなり寒く別に見るものもないのでシネマへ飛び込んだ。