2010年4月18日日曜日

パリの夜

当初考えていた旅程は、
マルセイユ上陸後イタリアを見て、スイスに入り、
中欧を見てフランスに入り、ドイツを見てスカンジナビアへ、
それから英国に渡り米国に向かうというものだった。

ところが色々考え、船中で経験者から話を聞いたり、また荷物のことなどを考えると、
語学も十分でなく不慣れなところに荷物を抱えて歩くのは面倒、
しかも北欧、ことに英国は次第に濃霧の多くなる時季に行かねばならないため、
時季的な効果を考えて変更した。
まずパリに入り、荷物の大半を預けておいて英国へ渡り、
再度パリに戻って荷物をまとめてドイツに渡り、
ベルリンから手軽な旅装でスカンジナビアの旅を済ませ、
再度ベルリンに戻り、ここを根城にドイツの各都市や中欧各国を旅して、
その後ベルリンに滞在して十分に目的を果し、再度パリに移動して
スイス、イタリアを旅行するのが時季にかなった旅行であろうと決定した。
このような旅程なので、2、3日中にパリを出発して英国に渡ることにする。

本日夜はホリベルゼルに米国から来ている黒人の美女、ジョセフィン・ベーカーのレビューを観る
彼女の微妙に動かす裸体のスネークダンスや、色々な劇を採り入れたレビューは、
舞台装置と華美な衣装や道具、それに光線を極度に応用して実に美しい。
夜9時に開演して1時頃に終えた。途中2回ほど約30分の休憩時間があった。

劇場の入口側に小屋ほどの大きさのキャバレーがあり、
たくさんの観客がテーブルについてワインやビールをやっている。
その正面には舞台があって、スペイン風の女が特有の音楽をやっている。
ホールの周壁は一切がスペイン風に装飾され、
着飾った男女の観客が階上階下のバルコニーから観ている。
この間をけばけばしい服装をした娼婦が右往左往している。

0 件のコメント:

コメントを投稿