2010年4月20日火曜日

ロンドンに病む



10月15日 
8時に目覚める。今日は晴天だが頭が少々重い。
各所へ挨拶に出掛けるのでモーニングにした。
ホテルの自動車で三井物産に赴く。
支店長が不在で次席の方や庶務主任の方々に面会する。
用件の概要を説明し便宜を乞うた。
大連から4、5日前に赴任されたY氏と一緒に近くの三井銀行へ徒歩で行った。
T支店長と種々会談する。
この頃から次第に気分が悪くなり、めまいを感じはじめた。
しきりと悪寒を覚え、来た早々に辞して丁君やY君とも別れ、
急いでタクシーを雇い帰宿、ベッドに入る。
体温38度5分、食欲はない。

10月16日 
体温が下がらずまだ気分が悪い。午後になると39度に上昇した。
冷やし袋も水枕もなく心細い。
熱のためにとりとめもない夢を見る。
留守のこと、子供のこと、はては幼少の頃のことなどが断片的に夢現の間をさまよう。

10月17日 
体温がますます上昇し、丁君やホテルの夫婦が心配してくれ、
早速医師を呼ぶことになった。
午後、日本人医師が来診。
扁桃腺とのことで、疲れも出たのかパリ以来の無理も手伝い、
ひどくやられてしまったようだ。
1人ベッドに伏せ訪れる者もない寂しさ心細さを覚え、
渡欧中の客死者のことなどが頭に浮かぶ。嫌だ嫌だ。

10月18日 
熱やや下がる。やれやれ。ホテルのマダムも度々来訪してくれる。
自分の家にいるように遠慮なく仕事を命じてくれと言う。
渡る世間に鬼はなし。
食欲は依然としてないが3日ばかり何も食べていないのでミルクをもらう。
この3〜4日は通じもなくやはり受付けない。
どうなることやら。

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