2010年4月1日木曜日

上海、新市街地の街並み


9月7日 

昨夜、あまりの暑さに窓も入口も開けて寝たせいか、今朝は少々頭が重い。
O氏の案内で黄浦江(こうほこう)付近の新市街地を観る。

市の中心からおよそ1里くらいある平地の畑の中に、縦横に舗装道路が完成している。
その中心に市政府の建物が完成しており、壁は蘇州産の赤花崗岩で
大きな緑色の古代屋根を架けた2層楼だが、屋根の中にもう1層あるらしい。
正面には大階段が設けられている。建物は全体的によくまとめられていると思う。
これと約500メートル離れて相対に図書館および博物館が建てられている。
この2つはシンメトリーな、同形のものである。
建物全体は市政府同様、赤花崗岩であるが、
中央にいずれも極彩色の楼門形の木造屋階がある。
これがまるで取って付けたようで上下がマッチしておらず、
支那現下の政状を表現しているとでもいうべきだろうか…。

私たちが新京でやろうとしているものも、この轍を踏まないことを切に思う。
しかも聞くところによれば図書館も博物館も内容はなく、
ただ外向きの体裁と、世界に見劣りしないようにとの面子だけというあわれなものだ。

しかし市街から2里も離れ、道路、下水、水道、電燈、電話一切の
設備を完備した勇気と努力は貴ぶべきだ。
のちに聞いたことだが、この建設地域はほとんど無償に近い価格で一般から買い取り、
現在相当の価格で払い下げているという。
個人的収入を目標としたものであるとか、沙汰の限りであきれるほかない。

これらの建物のデザインは多分に米国の匂いがする。
庭園を同時に完成させているのは学ぶべきことだが、
滑稽なのは、四川路南京路の大繁華街にあるのと同様の交通整理機を、
ほとんど人通りもないこの道路に設置して交通巡査まで置き、ゴー・ストップをやっている。
実に面白いが笑うこともできず、それと同様に
繁華街の支那人デパートの上階には各種の娯楽設備があり、
人に知られてはいるものの観衆は1人もなく、
音楽をかけて奇声を挙げ、真面目くさって演技する様はむしろ奇異に映った。


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