2010年4月24日土曜日

ロンドン市街をつぶさに見る

オックスフォード通りはロンドン市の東西を貫通する幹線で中央にあり、
沿道の建物は6〜7階建てで中には10階以上のものある。
大抵は古い様式でなかなか立派なものが多い。
10階以上の多くは新様式で、小売商店が軒を並べ大きなデパートなどもある。
ちょうど日本の銀座というところだろう。


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2階建ての赤いバスが十間おきくらいに走り、旧式の大きなタクシーが連なる。
この旧式タクシーは我々旅行者には非常に便利で、大抵の荷物は積めてしまう。
勿論、荷物1個ごとに別料金を取るが、メーター制で1割くらいのチップが必要だ。
これはロンドンだけではなく欧州どこでも共通のことで、夜12時以降は料金が倍増する。
次に欧州の街で目立つのは荷馬車だ。
太い足の立派な馬が石敷の街路をカツカツと走るのは独特の情景だ。
車道は電車と自家用自動車で埋めつくされている。

リージェント・ストリートはピカデリーからオックスフォード通りへ通じる円形の街路で、
大体が商店街であるが、整った5〜6階建て建築である。大劇場やホテルなども多い。
ストランド新聞街とかいう出版業の中心地、フリート・ストリート、
セントポール寺院のあるカンノンストリート、宝石商や時計店、
呉服雑貨商の大商店があるチープサイドなど、みな賑やかなものである。
 


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街は不整頓で、街路は曲がりくねり、広い所から急に狭い道路に出たり、
高い建物があるかと思うとその隣に2階建てくらいの店があったり、
立派なものの間に貧弱なものがあり、新旧不揃いで、建物は多くが黒く煤けている。
古きを尊び、新しきを追わない英国人の特長だろう。
この保守的な考えが市街の改良や市民生活の合理化を阻害し、
ことに古典的建造物が至るところにあって、市街の整理ができていない。
あるものは成可く●さずに使うという風で、統制なんて思いもよらないことらしく、
電球などは会社がいくつもあって共通でない。これは実に不便なものだ。
英人の気質も万事に華美を好まず、家庭は昔風に地味で堅実で、

主従関係などは実に封建的。しかも礼儀正しく厳格だ。
通行人を見ても皆どこか田舎臭く、身なりには何の流行もないように見える。
女学生なども地味な服装で、多くはメガネをかけて

電車や馬車でも皆本に目を落していて、若い明朗さが感じられない。
ロンドンの市街は実に保守的で、モダンな感じがしない。
しかし広さと深い落ち着きを帯びていることは確かだ。




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