2010年4月4日日曜日

コロンボ(セイロン島)上陸

9月21日 午前6時に目覚める。部屋の外はまだ暗い。
起き上がって窓から眺めると、船はすでにコロンボ港の外へ着いている。
市街に無数の燈火を望み、赤、青の明滅する灯台の光を目前に、
遠くサーチライトの光りが縦横に飛ぶ。


7時、朝食のため急いで起床。
今日はカンディ(キャンディ)見物である。
一行は1等船客内の外国人約20名でランチにより上陸する。
4台の自動車で出発。晴天で南国の朝らしい明朗さだ。
しかも暑くはなく、お釈迦様に敬意を表して制服で行く。


コロンボはペナンを距る130里、面積2万5千平米の「セイロン島」と称する島である。
(現スリランカの首都)
人口約25万とか。カンディは釈迦の遺跡で、
インド旅行を中止した私にとってこの行程は、往復約8時間、約150マイルをドライブし
釈迦の遺跡はもとよりインド建築を見て、特有の風物に接する計画である。
黒人の操縦する自動車は平均35里の速力で立派な舗装路を快走する。


埠頭事務所を出てヨーク・ストリートに出る。
市街は真面目なルネサンス風で、両側に4、5階建ての商店や料理店、旅館などが並び、
人道は建物内にある。立派なもので床はタイル貼り、壁は大理石もしくはタイル、
ショーウインドウは天井が高くて美しく、実に気持ちがいい。贅沢な人道である。

街路の交通規制は主として自動車で路面電車もある。
この路面電車が側壁のない開け放しで、見るからに涼しそうだ。
人力車もちょいちょい見かけた。無論、上海式のものだ。
この文化の街路を「ブロックカー」と称する古風な牛車がさかんに通る。
ヤシの葉でできた円形の幌をかけた大八車である。
木部に朱塗りの原色模様を入れた洒落たのもあり、2頭の白牛が引く。
頭に赤い布を巻き、さまざまな色のスカート状のものをまとった
白髭で黒い肌のインド人が操縦する様はこの地ならでは。
周囲の洋風大建築と対照して実に面白い。
コントラストが何ともいえない自然の調和をなして、少しも不自然さがない。


カンディへの沿道はシンガポールやペナンのごとく淡々とした舗装道路。
起伏、高低がありほとんど直線がない。
両側は熱帯植物の連続。ここでも所々で稲田を見た。
すでに刈り込み真っ最中のところがある一方で、他所では田植えを始めており、
日本では到底想像できないことだ。田植えの様子も日本と少しも変わりはない。
名前も知らない巨大な樹木、美しく見事に色づいた鬱蒼とした樹木、
花樹の間を美しい小鳥が飛び交い、
はては木々のあいだを猿のむれが奇声をあげて転々とする。




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