2010年5月23日日曜日

合理的な、ドイツ生活




色々と考えながらホテルの玄関を鍵で開けて広間に入り、
正面のエレベーターをもう1つの鍵で開け、二重の戸を閉め、
5階のボタンを押すとするすると動き出し、5階で止まる。
ここでちゃんと元通りに戸を閉めておかなければならない。
そして次の玄関の戸を3つ目の鍵で開けて中に入るのだ。
この玄関までは、ホテルといえども道路のようなもの。
それからさらに4つ目のドアの鍵を開けて、はじめて自分の部屋に入れるわけである。
夜は必ず電灯のスイッチをひねることを忘れてはならない。


ベルリンのエレベーターは多くが自動式で、運転者はほとんどいない。
乗降の頻繁なところではバタノスターを使ってあるのを見受けた。
このように出入り口は一切合切が鍵づくしである。
用心なのはよいが、もしもこの鍵を忘れたら大変だ。
夜などほとんど自室へ帰ることはできまい。
ホテルにでも泊まるか、外から電話でもかけるより仕方がない。
けれども下宿の使用人は大抵10時頃から不在なので、ほとんど駄目といっていい。
また、人を訪問する時は必ず前もって打ち合わせておかなければならず、
突然の訪問は夜分などにはまったく駄目だ。
しかし鍵さえあれば深夜でも他人に没交渉である。
そのように機械的に合理化されていて、実にドイツ的生活と頷けるが、
これがまた、相当悪用されているようにも思う。

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