2010年5月8日土曜日

ベルリンの夜余興



夜になり、我々の旅行中にここを出発するH氏と、お別れに支那料理を食いに行く。
「泰東」といって、ちょっと支那気分のする相当の店である。
客は7人のドイツ人と多くは日本人。
支那人はあまりここには来ないそうで、他に支那料理店があるのだそうだ。
定食を食べながらふと見ると、向こうのテーブルにドイツ人のべっぴんが1人いて、
時々こちらにモーションをかけてくる。
出掛けにちょっと合図をすると簡単について来る。そばで見るとなかなか綺麗な女だ。

男3人にその女を連れて、有名な「フエミナ」というカフェに入る。
コンパートメントになっていて、中央は階上までの吹抜け、
たくさんのテーブルに数百もの男女が飲食している。
コンパートの上はギャラリーで、階上から酒を飲みながら下を見下ろせる。
正面には舞台があり音楽をやっている。大広間の中央は40〜50畳の広さがある。
時間ごとにそれがエレベーター式にせり上がり、大勢の半裸の女が出てきてダンスをやる。
場が平面になると大勢の客が出て、連れの女と踊るのである。
30分おきくらいに高く、大きなガラス天井が左右に開き、ベンチレーションをやる。大仕掛けなものだ。
テーブルには電話が備え付けられている。
何の必要かと思っていたら、やおら私たちのテーブルの電話が鳴った。
聞くとどこかに来ているその手の女がかけている。
どこからともなくたくさんのゴム風船が飛んで来る。
それを客がおもしろがって大騒ぎしながらパンパン割る。
ワインを飲み、シャンパンを抜く音があちこちで聞こえる。
電飾の下に繰り広げられた歓楽の光景、
これが復興の気分に燃え、真の活動をしているドイツなのであろうか。

それから2〜3軒、日本人が必ず行くというカフェに行く。
例の「カフェ・ヴィクトリア」へも行った。
H氏はお馴染みと見え、マダムが出てきてサービスをする。
シャンパンにワイン、ビールやカクテル、賑やかなバンドに合わせて盛んに踊る客、
私もいつしか大いに酩酊しマダムをつかまえて下手なダンスをやった。
1時過ぎ、客も女たちもいない。私とH氏だけだ。
バンドたちも私たちの周囲に集ってきて、日本の歌を歌う。
ハイル・ヒットラーを叫ぶ。なにもかもがカクテルのせいだ。
久しぶりに気持よく騒いだ。3時頃、H氏とタクシーで帰宿。
朝、目が覚めたら着の身着のままで寝ていた。

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