2010年5月25日火曜日

ポツダム市街、宮殿を見る




次に街で公園に入り、サンスシーの宮殿に行く。


ここはウイルヘルム4世の皇太子時代の離宮で、正面の段状の花壇が立派である。
頂上の建物は平屋式で古風なものだった。
その真下にオランダ風の風車がある。
飛ぶ鳥を落す勢いのフリードリッヒ大王は、この離宮のすぐ傍らで
夜となく昼となくゴトリゴトリとやる粉挽き屋の風車の音に安眠を妨げられ、
僚臣がこの粉挽き屋へ強制的に立ち退きを命じた。
だが粉屋の主人は怒って大王を裁判所に訴えた。
人民の権利と自由を認めた法律ができており、大王の敗訴となったのだが、
粉屋も不敬を悟って立ち退き、大王も別所に立派な風車を作ってやったという。
それで今なお風車は残っているのだ。

サンスシーとはドイツ語で「無苦憂宮」という意味である。
ここには公園内を走る2頭立ての馬車があり、大連通りのものとよく似ている。
森林の中のような大公園、旧離宮の庭園内を馬車がカツカツと走る。
やがて新離宮の横手に出た。
これはフリードリッヒ大王の7年戦争からの計画で、
ビュリングとマングル技師らの手によって設計されたもので、ルネッサンス様式である。
大きく3棟に別れ、その中央に広場がある。
内部も見たが、満州他の幾多の宮殿に比べてあまりきらびやかではなく割合に地味で、
しかし材料などは立派なもので質実的にできている。
例の貝殻の部屋も見た。
かなり悪趣味ではあるが割合によくまとめてあった。
カイザーがここに送られる時、
家族たちに最後の別れをしたという部屋も見て同情に堪えなかった。

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