2011年4月23日土曜日

パリの労働事情



現在のパリにはほとんど見るべき建築工事はなく、
僅かに博覧会工事と前記の飛行場ぐらいのものであった。
パリでは民間の建築家は悲鳴をあげ、
労働者は副業または失業手当でささやかに暮らしているとか、気の毒なものである。
失業手当は1日10フラン、妻子ある者は各4フラン
家賃付き40フランを直接家主に支払ってくれるとか。
これでやり方によれば1日にワイン1杯もやれ、シネマぐらいは観られるそうだ。
しかも1週40時間、最近では38時間労働制が叫ばれていて、
これが成功に近付いているとのことだ。
7割の社会党員を有する現内閣によって、労働者は実に優遇されつつある。
しかし私たちが見たところ、労働者の現場における活動能率の悪さは呆れるばかりである。
木靴を履いてのろのろと、3尺程の土管を2人がかりで運んでいる様を見て嫌になった。
労働時間はなるべく短縮し、賃金値上げを叫び、
その反面で個人的生活は酒と女で裸の生活である。
結局は野蛮に帰る、文明の極致とはこんなものなのだろうか。

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