2010年10月12日火曜日

バチカン 〜Citta del Vaticano〜




正月八日 
朝10時からホテルの主人の案内で市内見物に出掛けた。
強い光線が街を照らし、暑いくらいだ。
自動車でまずパンテオンを見る。
街はゴミゴミとした低いところにある。
これはローマ最古のもので花崗岩造りで7〜80尺ほどもある。
一本ものの柱が建っている。内部には前帝とラファエロの墓があった。




次いでサン・ピエトロ寺院を詣でる。欧州各国の他の寺院と比べて実に大きい。
ローマン・カトリックの大本山で、前面の両側に円形の回廊があり、
石畳の広場では左右に大噴水がさかんに水を吹き上げている。
広い階段を上って内部に入ってみた。その偉大な荘厳さに驚く。
6万人あまりも収容できるそうで、要所には有名な彫像があり
特に代表的なものではミケランジェロの大作がある。
歴代の皇帝はここでローマ法王の手によって戴冠式を挙げる。



宮殿の前を通ってバチカンに行く。宮殿は実に粗末なもので、
ローマ七丘の頂上にあるが、建物は3階建ての古びたものである。
赤い房のついた帽子に黒服の衛兵が立っている。
日本の幕府が盛んな時の御所もこのようだったかと、そぞろにもの寂しさを感じた。
バチカン宮は高い城壁に取り囲まれている。独立国で人口僅か650人、
周囲を50分ほどで歩ける世界最小の独立国である。建物の多くは博物館で、
ミケランジェロの天井画やラファエロの最後の審判などの壁画が有名だ。
正面玄関は最近モダンに改造され、階上の陳列館へは大型のエレベーターで
昇り降りするようになっている。この小独立国の切手などを求めた。
陳列されている彫刻の男性像の美しさは女性的な柔らかさを帯び
まるで生きているようで、思わず手を触れてみた。
この時代の彫刻は現代の到底およぶところではないだろう。
バチカン宮殿の美術品はすべてイタリアの粋を集めており、
世界一の権威を持つものだろう。


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3 件のコメント:

  1. バチカンの美術館は本当にすごいコレクションです。
    学校の美術の本に載っているような、本物!しかも古い作品が目の前に、ガラスやロープ等の何の障害物も無く、あるのにはびっくりしました。
    でもやっぱり触れてみるのはまずいでしょう・・・

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  2. うちにバチカンの切手がなぜか1枚だけあるのだけど、あれがもしかしてこのときの切手かもしれん。
    大学時代ローマに行っているのに、バチカンのことをあまり知らず、見過ごしていました。今すごく後悔している。

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  3. 触れちゃった人、いましたね。
    あ、もういないのか…

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