2010年10月25日月曜日

欧州の文化に思う



欧州の絵画というと、ほとんどが宗教画で、
キリストの奇跡や伝説を基にしたものばかりだ。
聖母の名画などは各種各様、実にたくさんある。
古代から争闘が繰り返されてきた欧州でありながら、
戦争画が割合と少ないのは意外に思えた。花鳥風月ものも非常に少ない。
あるものは甚だ写実的で、絵柄色相など実物そっくりに浮き上がって見える。


建築技術にしてもその発達の特徴は多くが宗教的で、
信仰的念願の努力によるもので、
2千年も前によくあんな大きなものを石造りで、
しかも複雑な様式で造ったものだとつくづく感心させられる。
高い塔や大きなドームなどは決して鉄骨でも鉄筋コンクリート造でもない。
ただ石を積んだものである。当時はセメントなどなく、多くは石灰のようだ。
石は破損しても目地の石灰はそのまま残っている。
大きなドームを造る時はその側壁を構成し、砂を詰めて形を作り、
石を迫持式に積んで造られた。
金と時間を考えなかった時代のこと、思いきったものも出来たのだろう。
物質文明の今日ではちょっと真似ができない。
市街を囲む城壁、あるいは門なども支那、満州のものに酷似し
その平面構成にも日本の築城と共通性がある。
期せずして東西技術の相似を痛感した。

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