午後3時半、ローザンヌに着く。
湖に面した斜面の町、段々に建てられた5、6階建ての軽快な建物が美しい。
車中では四辺の景色の移り変わるさまに、ゆったり腰かけてはおられず、
写真を撮るのも忘れて眺めていたが、ふと気付いて2、3枚撮った。
遥かなる山上の町は、今まさに夕日の中に入っていくかのようだった。
午後5時、ベルン着。
早速荷物を一時預けにしようと思ったが客が多く、
1時間あまりしか見物時間のない私たちには待ちきれなくて、
ポーターに事情を話してどうにか預かってもらう。
身軽になって無鉄砲に町に出る。
とはいえ大体のところは汽車の中で地図を調べておいた。
百尺もある国会議事堂の大建築物、深谷に架かる高い橋、
夕闇の彼方に雪のアルプス連山を望む寺院の尖塔に、
暮れの電飾が金色に、夕闇の天にさす。
マーケットの賑やかさ、押すな押すなの人の波。
特色あるローカルなものを売る店では売り子は独語・仏語を半々に喋る。
時間がないため近くで絵はがきを買い求めて出す。
駅に戻れば再び大変な人、相当大きな駅だがいっぱいである。
皆、翌日からの2〜3日の休みを利用して思い思いのところへ向うらしく、
まるで戦場のようなありさまである。
男女の群れの多くはスキーに行くらしく、
男装の女など、プラットホームもまた同様の状況である。
早速ポーターを探したが見つからない。
そうこうしている間に乗るべき列車が着いた。
ポーターはまだ見つからない。
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