12月29日
三井物産に行く。
パリもこれで三度目、宿で道順を聞きバスで容易に行き着いた。
支店長に会い金の引出しに日仏銀行を指示され、そこで受け取ることにする。
支店長は来春ロンドンに栄転とのこと、家族と共に海外に在住する者が、
子どもの教育でいかに困難しているか、実情を聞いて同情に堪えなかった。
郷里より数通の書面が届いており、宿での楽しみにポケットに納める。
日仏銀行の場所は、はいはいと聞いて出たものの、
外に出てみれば少しも見当がつかない。
仕方なく車に乗ったがすぐに止まる。目と鼻の先だったとは迂闊だった。
日仏銀行にはY氏がおられ、親切にお世話になる。
イタリアリラを2000リラ買う。
これはドイツのレジスターマルクと同様、国外で買えば安く手に入いる。
ほかに250シルほどスイスの紙幣を買う。
なお1250フランほど、合計43ポンドほど引き出した。
クレジットが少なくなっていくが、計画通りにいっているので大丈夫だろう。
イタリア通の坂野商店に行く。
様々な外遊の人々が出入りするこの店で商品を見ながら5時頃まで話し込む。
帰りはオペラ裏から記憶をたどりバスで宿に帰り着く。
折からT博士に玄関で出会い、夕食を共にして
ベルリンのT氏宛てに寄せ書きなどをする。
食後、氏の部屋で雑談に耽っていたが、喉が渇くあまりに外に出て
カフェに飛び込みフランスビールを試みた。
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