9月28日
午前5時 アデン出帆。
未明、東紅を背に黒色に突き出た全山が紫雲を頂き、
海岸の家屋は岸に近く、砲台が右手に○田を経て、
アラビア大砂漠を遠く白雲の彼方に見ながら船は烈日の紅海に入る。
正午、アラビアの突端ベルム島と
イタリア領アフリカ、エレトリアの先端の涙の瀬戸を過ぎていく。
エチオピアの近海で、何か同情の念が起こる。
イルカがさかんに遊泳する様子を遠くに近くに見る。
船室内は暑く、デッキに出れば尚暑い。
夜、K教授による経済に関する講演があったが、風邪気味で出られず。
横浜行きの箱根丸宛てにK君の乗船の有無を無電で問い合わせた。
返電があり乗船されたとのこと、
時間を計算してみると紅海・スエズ近くで行き違うらしい。
カイロあたりで会えるとよいのだが。
大きな地図で見る
0 件のコメント:
コメントを投稿