12月24日
同宿の第一生命のT氏や丁君らと師走景気を見物しながら、
日本人の土産物屋「中管」に行く。
ベルリンにはこのほかに「ヨサノ」という同様の店もあったが、
カメラフィルムはここが一番安価だ。
ここで世界の古切手2000枚を集めたものを9マルクで買う。
昼から満州国事務所に出頭し、K氏に最後の挨拶をして、
郵船、商船にも挨拶に行ったがすでに帰宅された後で、
大西洋航路の切符も得られなかった。
以後、向う3日間の食べ物の用意をしなくてはならず、
パンやソーセージなどをどっさりと買い込む。
24日午後より事務所関係や商店、飲食店が休みになるからだ。
しかも27日が日曜なので、丸3日間食事させてくれるところがなくなる。
ドイツ人はクリスマスを静かに家庭で楽しむ。
独身者はどこかの家族に招かれて行ったり、
独身者2人きりで一晩泊まりの鉄道で静かな楽しい旅行をしたりする。
私たちは同宿の諸氏と共にホテルにプレゼントとして1人5マルク、
女中を入れて平均2マルクずつ出すことにした。
ホテルでは午後7時からクリスマスのお祝いがあり招待される。
それとは別に三井物産のA支店長からもお招きいただいていた。
午後はT氏の来宿を乞い、出発に関して諸々の依頼をする。
滞在2か月のあいだ非常に厄介になり、私たちが何の間違いもなく
目的を十分に達し得たことは氏の力によるところが大きく、
お礼に何かプレゼントをと思い、K氏の意見もあって50マルクばかりを贈ったが、
どうもまだ気が済まないので、別に25マルクをプレゼントした。
さらに持ち物の中から不要のシガレットケースやパジャマなどを差し上げ、お礼とした。
0 件のコメント:
コメントを投稿