午後11時半、疲れた体でベルリンのツォー駅に下車。
タクシーでホテルに帰る。荷物を持ってエレベーターで5階まで上がり、
鍵を開けて自分の部屋に帰る。遅いので誰もいない。
洋服の始末から荷物の整理など、すべて自分でしなくてはならない。
忘れないうちに日記も書かなければならない。
これだけは疲れていても休むわけにはいかない。
こんなときはつくづく旅の苦しみが身にしみる。
ぐずぐずしているとすぐに1時になってしまう。大急ぎで寝る。
約12日間の中欧旅行はこれで済んだが、なかなか忙しかった。
もう少しゆっくりするつもりだったが、何しろ時候が悪いので、
濃霧に閉ざされ、あれ以上は仕方がなかっただろう。
しかし日本贔屓のハンガリーでは、
まるで日本にいるような気持になったり、
建築技師に会えば、同じ悩みに同情しあったり励まされたり…。
それにしてもこの時季の旅行は損である。
朝は8時頃に明け、4時には暗くなる。
それが夏になると6時には明けて、9時頃まで明るいそうだ。
行動時間は倍ほどにもなり、暖かくて服装も荷物も簡単で済み、
諸事経済的にも倍の能率。旅行者はよほど考えて出掛けたほうがよいだろう。
今回の旅行は訪れる国が多く、旅行者にはかなり面倒である。
パスポートや税関の検査はよいとしても、
国が変わるたびに金を交換しなくてはならない。これがあまりにも不経済である。
短期間の旅行者にとって、こんなことに頭を使い、時間を要するのはかなわない。
たとえ仮の宿でも自分の部屋に帰れば、
我が家に帰ったような気がして落ち着くから妙である。
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