2011年1月11日火曜日

パリにて、郷里からの通信に和む




正月19日 
バスで三井に行き支店長に面会。たくさんの手紙が来ていた。
雅子からのが2通、吉田章恵君からは国務院の絵はがきと会廟式当日の切り抜きなど。
当日の盛況を遥かに忍ぶ。吉田君は内地で女児をもうけられ、2回目のおめでたである。
ベルリンの田村君からは、私たちの乗船券のこと、荷物の発送などについて知らせてきた。
石井猪七君からは、私がたびたび飛行機に乗るので姉がしきりに心配しているそうで、
今後はなるべく乗らないようにとのこと!
毎日神詣でをして私の無事を祈っているそうである。
母なき後の自分には姉が母であった。姉なればこそ心配してくれる、ありがたいことだ。


局の江崎氏からはその後の局の事情を細々と知らせてあった。
本年度の予算は1千万円出るそうである。これは忙しくなる、遊んではいられぬ、
早々と帰って諸氏と協力しなければならない。
 
憲三からは自分でとった崇子の写真を送って来た。
大きくなった。写真もよく撮れている。
高梨君のお宅からは奥様やお嬢ちゃんたちから年賀状をいただいた。
何といっても旅行中は郷里からの通信が嬉しいものである。


その足で「伴野」に行き、売店のソファでゆっくりとこれらの手紙を読んだ。
それから郵船の支店へ行って旅程変更を申し込むと快く承知してくれた。
すなわち2月17日、フランス・セヤーブルグ発のクイーンメリー号に乗船し、
22日ニューヨーク上陸、4月1日サンフランシスコ発の郵船浅間丸に乗船することで決定。
切符は木曜日にくれるそうだ。
米国には40日ばかり滞在の予定で、ヨーロッパにはこれから約1ヶ月いる予定だ。
宿は早速マスネに移した。私は3階の33号、丁君は6階の60号で部屋は美しく、
特に気持ちがいいのは部屋の洗面所、浴室の立派なことである。
これで当分のあいだ落ち着くことができる。
しかも朝食付きで38フラン、日本円で1ヶ月200円ぐらい。パリでは格安だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿