2010年11月3日水曜日
ジェノバ 〜GENOVA〜
正月14日
朝、再度ドーム広場に行って斜塔を見直す。
付近にはたくさんの大理石の土産物店がある。
片言の日本語を話す主人につかまって2、3買うはめになった。
ホテルの自動車で駅に送られ、午前10時50分出発。
右手に斜塔を眺めながらまもなく大きな森に入った。
特徴のある丸い松が打ち続く途中に、最近できたらしいモダンな駅舎がある。
やがて左側は平野で右は山になる。よい景色だ。雪を頂いた高い山、丘の古城、
山上の市街に近く、白壁の家から顔を出す赤い着衣の婦人、
次第に熱帯植物が増えミカンなどがなっている。
この付近は大理石の産地で、停車場付近には工場がたくさんあり、
クレーンで列車に積み込んでいる。
午後2時半、ジェノバに着く。大きく立派な街である。
ここは開港場であり、むしろローマよりも活気がある。
建物も大きく、急坂が続き、段型に建てられた街は実に壮観である。
タクシーを雇って市内を一巡した。
駅前のコロンブスの像やその生家などを見物し、凱旋門や有名な墓地を見た。
彫刻の美しい墓が建物の回廊に幾つもある立派な美術館である。
パン売りの老婆が一生食うや食わずで貯めた金で自分の墓を造って
極楽浄土したという彫刻の前では大いに考えさせられた。
古い街の狭い街路には背の高い家が並び、ハイネが言ったように、
向かいの家の娘と窓と窓で接吻ができるようなところがたくさんある。
港にはたくさんの大きな汽船が着いている。商港でもあり軍港でもある。
今日はいかなる日であろうか、途中葬儀に5つもぶつかった。
立派な儀装馬車にたくさんの子供がきちんと4人並んでいるのもあれば、
小さい子供が棺にとりすがって泣きながら行くのもあり、
ボーイスカウトが先頭に勇ましく送っていくのもあって、
日本などと少しも変わりはない。
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たしか「東方見聞録」のマルコ・ポーロの故郷だったと思います。「母をたずねて三千里」のマルコも“ジェノバっ子”。
返信削除訂正。マルコ・ポーロの生まれはヴェネツィアらしいです。東方見聞録を書いたのがジェノバの獄中とのこと。(『もういちど読む山川日本史』より)
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