ゼノアからニースまでの景色は実にいい。
ちょうど日本の東海道を通るように、海岸の岸壁に
奇岩怪岩の間で波打つ湾を通り、高い懸崖の中腹、
深淵を見下ろすようなところをトンネルまたトンネルで通過する。
岩山には濃い緑の樹木が生い茂り、美しい別荘が続く。
その絶景はとても筆舌に尽くせるものではない。
国境のベントミグラ駅でパスポートや税関の検査があり、
ニースに着いたのは午後9時半だった。列車は満員で、
車室では尊大ぶった英婦人や、よく喋るイタリア人夫婦の間で不快であった。
うっかり昼食を食べそこなったので腹も減り、ホテル・アレキサンドリアに投じ、
なにはともあれ食堂に飛び込んで夕食をとり、ようやく一心地ついた。
今晩はゆっくり休み、明日からこの世界的娯楽場で十分遊山気分に浸るつもりだ。
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